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当ページでは、太陽光発電システムの仕組みと必要な設備、また機器類の解説をいたします。
太陽光発電システムの仕組み自体は、特に難しいものではありませんが、バッテリー容量や種類、インバーターの最大出力電力に応じたケーブルの太さの選定など、正しく理解していなければ火災や爆発の原因となる恐れもあり危険です。
まずは、初心者の方々にもわかりやすいよう、基本的な太陽光発電システムの仕組みと、各設備機器の役割について説明してまいります。
太陽光発電システムに必要な機器類また接続は以下のような配線図となります。各機器類の役割に関しましては、以下順を追って説明いたします。
《太陽光発電システムに必要な機器の名称》
太陽電池とか太陽発電モジュールといった言い方もします。発電能力が大きくなれば、パネル自体の面積や重量も大きくなります。発電能力は(W:ワット)で表され、家庭用の太陽光発電システムでは、80W〜200W程度のパネルを数十枚使用して、概ね3.5kw〜4kw/日(家庭で使用する平均的な使用電力量)を発電しています。また、基本的に直流の電力が出力されます。
充放電コントローラーともいいます。チャージコントローラーは、太陽光パネルとバッテリーの中間に配線され、バッテリーへの充電電圧の制御や過充電の防止、またバッテリーの低電圧時の負荷遮断制御機能や逆流防止などの役割を担っています。
チャージコントローラーには、以下2種類のものがあります。
(Pulse Width Modulation)の略で、パルス制御方式ともいいます。
独立系の太陽光発電システムでは、最も一般的な制御方式のコントローラーで格安で手に入ります。(千円〜2万円程度)
20Wパネル程度までの実験用でしたらPWMで充分です。
(Maximum Power Point Tracking)の略で、最大電力点追従制御方式ともいいます。
住宅・産業用の高効率チャージコントローラーとして開発されました。PWM方式と比べると高価になりますが、変換効率で計算すると、なんと「97%〜99%」という高効率性を誇ります。実感では最もよい発電環境において2倍近い充電速度を得られます。
当サイトでは、日本製、中国製、アメリカ製、ドイツ製を販売しております。コスト面では、中国製10A容量が1万円程度となり、以前と比べお求めやすくなりました。大容量のものになりますと、13万円を超えるものもあります。
本格的なソーラー発電を始められるのであれば、こちらがオススメです。
太陽光パネルで発電された電気をプールしておくための設備です。(住宅用の太陽光発電システムにはない設備です)バッテリーの種類には沢山のものがありますが、一般的な太陽光発電システムでは、充放電頻度を高く設計しますので、「ディープサイクルバッテリー」という特別仕様のバッテリーを使用します。
電気自動車などでは、リチウムイオン電池が使われていますが非常に高価なので現実的ではありません。コストパフォーマンスの高さでは、ディープイサイクルバッテリーが群を抜きます。また、自動車始動用のものでも全く問題ありません。(【蓄電システム.com】のセット商品にも採用しております)
12V仕様または24V仕様(12Vを2個直列に接続)で設計されることが多く、前項で解説したチャージコントローラーも12V/24Vで設計されているものが多いのが現状です。バッテリー容量の単位は、「50Ah」などと表示し、12V、50Aの電流を1時間取り出せることになっています。
DC−ACインバーターは、通称「インバーター」といい、バッテリー(DC12V)から家庭用の電源コンセントと同じAC100Vを取り出すための機器です。回路を動作させるための電気はバッテリーから供給されますので、インバーターには電源は不要で、したがってコンセントプラグは付いておりません。
インバーターの規格は、「正弦波 定格出力700W、最大出力(瞬間1200W)」「擬似正弦波定格出力120W、最大出力(サージ電力)300W」のように表記されています。
「正弦波」と「擬似正弦波」の違いにつきましては、正弦波と擬似正弦波の違いにてご案内しております。
実は、このインバーターの選定方法や選定基準の質問がとても多く寄せられており、その中から重要項目をピックアップして以下ご紹介いたします。
おそらく、5,000円程度で販売されているインバーターは、車中やアウトドア用に設計されたもので、連続して5時間〜10時間以上の使用は想定されていない設計になっております。(もっと短いものもあります)3万円のものにつきましては、基本的に数日間でも連続稼動できる仕様になっており、排熱機能はもちろんのことインバーター内部部品の品質も格段の差があります。
したがって、インバーターを選ぶときには、用途に応じた出力電力だけではなく、連続稼働時間についても考慮する必要があります。
電動工具ほかモーター駆動系の製品には「サージ電力」といい、モーターが回転し始める最初の瞬間だけ大きな電力を必要とします。おそらくは、定格消費電力の3倍程度(約1,000W)必要となるはずですから、インバーター側の供給電力不足となります。
また、高品質型の擬似正弦波インバーターを購入されたとのことですが、長時間にわたり連続運転しない限り、高品質型は必要なかったと思います。定格出力700W、サージ電力1,500W程度のもので十分でしょう。おそらく3万円程度で購入できるはずです。
基本的に、電気毛布などの家電製品は波形依存のもので温度コントロールをすることができません。インバーター式蛍光灯も同様です。そのほか精密機器、計測機器、医療機器(波形だけでなく周波数特性にも依存します)なども正しく動作しません。また、デスクトップパソコンに使用されている一部のマザーボードも、安価なインバーターでは起動しない場合があります。
以上のように、非常用のLED照明、携帯電話の充電、液晶テレビ、電源アダプターが付属しているルーターの電源などに使用するのでない限り、正弦波式のインバーターを購入した方が安心、便利であるということになります。
一般的に、CVケーブルまたはH−CVケーブルという種類のものを使用します。また、屋外配線の場合には防水仕様のケーブルが必要です。
但し、20W〜50W程度までの実験的な太陽光パネルでは、ケーブルの中を流れる電流値が大きくないので、0.5SQ程度の細いものでも問題ありません。(SQ:スクエアと読みます。「0.5」は断面積のことを指し単位は「mu」です。また、許容電流値は9Aあります)
※当ページ最下部にケーブルの太さに関する仕様データを掲載してあります。
※チャージコントローラーの仕様でも、5A程度のものは、太いケーブルを接続できないものもありますので注意が必要です。
一般的に、VFFケーブル、KVケーブルまたはKIVケーブルという種類のケーブルを使用しますが、電力損失の少ないなるべく太めのケーブルを使用して、バッテリー端子との接続は、丸型端子やスピードターミナルで確実に接続してください。ブースターコードに付属しているようなワニ口クリップでは電力損出が大きくなります。(ケーブル仕様表を参照)
KIVまたはH−KIVケーブルという種類のケーブルで、正極(+)と負極(−)を間違えないように赤(+)、黒(−)に分けます。
ここで一番重要なのは、インバーターの出力電流値に応じたケーブルを使う必要があるということです。もし、このケーブルの選定を間違えると火災や爆発の危険がありますので、必ず以下数値をお守りください。
一般家庭で使う電源コンセントでは、「AC100V」を使いますが、ここでは電源元となるバッテリーは「DC12V」となりますので、これだけで電流値は理論上約9倍となります。
すなわち、1,000Wを消費する電子レンジの場合、
家庭用電源では、
1,000W÷100V=10A の電流が流れますが、
12Vバッテリーでは、
1,000W÷12V=83A もの電流が流れることになります。
ケーブル仕様表をご覧ください。
10Aの許容電流では、ごく普通にある「100V用ケーブル」で十分ですが、83Aでは、若干の余裕を考えて22SQ(外形10.5mm)のケーブルを使う必要があるのです。実際には、1,000Wを出力するためのインバーターであれば、1,500W出力のできるものを使用しますので、
1,500W÷12V=128A となりますので、
仕様表から38SQ(外形13mm)もの太いケーブルが必要であることがわかります。
(感電したら大変です!)
40Aの充電器に太いケーブルが付属しているのはこのためなのです。
また、これくらい太いケーブルになりますと、接続端子の加工には特別な工具も必要となりますので、用途に応じたケーブル選定や加工のご相談は【蓄電システム.com】までご連絡ください。
※予備的にあれば便利です
太陽光発電では、大きな容量のバッテリーをシステムに組み入れれば、当然のことながら、日照不足などで思うようにバッテリーが満充電できないこともあります。また、ちょっとした配線時のミスでショートさせてしまえば、バッテリー容量は大きく減少します。
そんなとき、充電器が1台あれば自動車やバイクのバッテリー上がりにも転用できるので、持っていてもいいのではないでしょうか。
ただし、放電状態のまま長期間放置しますと、バッテリー自体の劣化が進み、早いときでは6ヶ月程度で交換が必要となることもあります。
バッテリーメーカーの公称する3〜4年を十分に使用するためには、全く使用していない場合でも、1ヶ月に1回程度は充電してあげる必要があります。(但し、全体の容量は徐々に減っていきます)
また、充電器は、バッテリー容量に応じた電流値を持つものが必要となります。
概ねバッテリー容量に対し1/10を目安に選択してください。お問合せいただければ、アドバイスや具体的な商品をご案内することも可能です。
ここ数年で、ソーラーパネルの価格も1/3程度まで下がってきており、また中国製の品質の高いパネルも流通するようになってきました。
「自然エネルギー」を活用した発電は、とても楽しいものです。
秋葉原にある【蓄電システム.com】の実店舗ではソーラーパネルだけでなく、各種設備機器も展示販売しておりますので、お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ来社ください。